「千葉で勝てます?」室屋選手に聞いてみた ─ エアレースいよいよ開幕!

レッドブル・エアレースに参戦中の室屋義秀選手に2016 シーズン・キックオフ・ミーティング後、個別取材の機会が頂けましたので、お話を伺いました。

EDGE540V3

・オリジナル機体EDGE540 “V3.5”について

── 今や、レッドブル・エアレースではEDGE540 V3でなくては勝負権が無い状態になりつつあります。昨年も室屋選手の新機体投入後にピーター・ベネゼイ選手もEDGE540 V3に乗り換え、今年もペトル・コプシュタイン選手がEDGE540 V3でマスタークラスに参戦します。この機体を製作しているのは同じジブコ(Zivko Aeronautics)社。室屋選手と同様キャノピーの小さな“V3.5”フォルムにはならない様ですが、何故でしょう?

続々とV3が投入されましたが、設計チームが違うので見よう見まねでは同等の性能が出せる訳ではありません。気流の剥離など結構細かな所まで、想定して設計を行っています。似たデザインの機体は出て来ないのは、これら設計情報は共有されない為です。

・エンジニアの交代について

── 今年はチーム体制が変更され、テクニシャン(チーフエンジニア)が西村隆氏からケリー・ウォール氏に交代したそうですが、機体の開発に影響はでないのでしょうか?

ブラジルの設計チーム、テクニシャン、現在のチーム…を含めて作業を分担していたので、西村さんが離脱したからといって致命的な事態となるわけではなく、大きな問題にはなっていません。

・今オフシーズンについて

──このオフ、アメリカでトレーニングを積む際はウイングレット非装着の機体で飛ばれていた様ですが。

飛行テストではベースセッティングと変更部分の差分確認など基礎データの蓄積を行いました。熱害に悩まされた昨シーズン後半戦を踏まえ、フェアリングの開口位置や冷却装置の位置・容量の変更を行い、対策の確認も行いました。

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飛行機が点検中の時は腰と体幹、腹筋・背筋を中心にした部分トレーニングを鍛えます。

(注:飛行機はもっとも広い面積の羽根=主翼(の効果)を利用しての旋回が最も効率が良く、パイロットにとって縦方向となります。なので、レーシングドライバーの様な横方向のGに対するトレーニングは最重要ではありません)

また、メンタル面のトレーニングも行いますが、身体と併せて常時行われるトレーニングでオフに限った事ではない、との事でした。