トヨタの完全子会社になっても「ダイハツ」ブランドは消えません!

トヨタ自動車によるダイハツ工業の完全子会社化についての緊急記者会見が2016年1月29日午後7時半より開かれました。

すでに、7月27日の上場廃止などトヨタがダイハツを完全子会社することに向けたスケジュールや、株式交換比率などは公表されていますから、記者会見ではトヨタとダイハツのシナジー効果や、そもそもダイハツというブランドは残るのか、といった点の発表に注目が集まりました。

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結論としては、ダイハツというブランドは残ります。

また、トヨタ自動車の豊田章男社長は、ミライースを好きなダイハツ車としてあげたほか、「地方の公共交通機関的役割としての軽自動車」の重要性もアピール。

ダイハツ・ブランドも、その主要商品である軽自動車も、価値があると語ったことは、ダイハツを完全子会社化するという記者会見でのリップサービスとはいえ、注目点といえそうです。

また、ダイハツの生え抜き社長として21年ぶりに登板した三井正則社長は、トヨタグループにおけるダイハツ・ブランドを「BMWにおけるMINIのような存在にしたい」と、適切かどうかとエクスキューズしながら宣言。

トヨタとは異なる個性を維持しながら、トヨタの小型車開発まで含めてカバーするという姿勢を打ち出します。

すでに1998年には出資比率が50%を超え、連結対象子会社になっていたわけですが、完全子会社化により、さらに密接かつ、同じ視点で戦略的に商品開発が行なえるようになるといいます。

そうしたシナジー効果から、どのような小型車が生まれるのでしょうか。新車開発のスパンを考えると、すぐさま効果が出るとはいえませんが、軽自動車のテクノロジーを拡大展開したグローバルコンパクトカーの開発などが期待される新体制といえそうです。

(山本晋也)

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この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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