スズキ会長(85)が社長退任、長男(56)にバトンタッチ!

スズキが6月30日開催の臨時取締役会で代表取締役の異動を行い、夕刻、都内ホテルで開いた記者会見で社長の交代を発表しました。

SUZUKI

それによると、同社社長を兼任していた鈴木修会長(85)が長男である俊宏氏(56)に社長職をバトンタッチ、会社の若返りを図ることにしたそうです。

鈴木修会長は1953年に中央大学法学部を卒業後、現在の愛知銀行に入行、その後当時の鈴木自動車工業社長長女との結婚を機に1958年に同社へ入社、5年後の1963年に取締役に就任。

当時資金援助を受けていたトヨタ自動車から役員派遣を受ける状況の中、排ガス規制対応遅れなどの苦境から会社を立て直した業績が認められて1978年に社長に就任。

以来、37年間に渡って同社経営で手腕を発揮、社長就任時に売上げが1,700億円だった同社を積極的な海外投資を経て一代で3兆円企業にまで育て上げるなどの偉業を達成、企業としては異例の長期同族経営を実現している点でも併せて注目に値します。

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2009年のリーマンショック時も他社が深傷を負う中、鋭い洞察力で投資を控え、被害を最小限に食い留めるなど、その予見力は見事としか言いようがありません。

昨今の軽自動車人気の台頭もあり、まさに「小さなクルマ、大きな未来」のキャッチフレーズどおりの世界を築きあげることに成功した同社ですが、これは燃費と動力性能を両立した「エネチャージ」など、言わば「もっといいクルマづくり」を追求する姿勢が顧客から賛同を得ているからこそ。

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今回の社長交代にあたり、鈴木会長は自身が招いたVWとの包括提携での「こじれ」を理由の一つにあげてはいますが、さすがに高齢だけに次期社長へのバトンタッチの限界時期に達したとの判断が有ったものと思われます。

鈴木修会長は今後も社長を補佐するそうですが、まさに「重責」を担うことになる長男、俊宏氏のDENSOでの11年間、及びスズキでの21年間の経験がどのように発揮されるのかが注目されます。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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