タイヤに溝がある本当のワケを知ってますか?

2015年、マーティが訪れた世界のクルマは空を飛んでいてタイヤが必要なくなっていました。というバック・トゥ・ザ・フューチャーのお話は現実にはなりませんでしたが、タイヤは日々進化しています。

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で、一般の乗用車のタイヤには必ず溝がありますが、何のためにあんな模様が彫ってるのか、その訳を知ってますか?

さらに、タイヤの溝は多くのシーンで「無いほうがいいモノ」だって知ってましたか?

実はこの溝があるせいで、音は大きくなるは、グリップ力は低下するは、減りは早くなるはなるは、といいことが見当たらないほどです。多くのレーシングカーのタイヤは溝ナシですもんね。

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なのに、必ず新品のタイヤには溝があって、減ってきたら交換しましょう、と言ってます。

さて、ナゼでしょう。

それは、溝がないと雨の日の性能が大きく低下してしまうからです。

雨が降るとタイヤは水の上に乗ってしまいます。その時、溝があればうまく水を逃がして路面とタイヤはコンタクトするんですが、水の逃げ場を無くしてしまうとたちまちクルマはノーコントロールに陥ってしまうのです。溝があるせいでグリップ力の低下、というのはもちろん、乾いた路面での話です。

レーシングカーは雨が降ったら溝のあるタイヤに交換しています。一般のクルマは雨が降ったってタイヤ交換はしませんからね。

じゃ、溝がなくなるとどれくらい影響があるんでしょうか?

今回、ブリヂストンがその実験を見せてくれました。

比べるのは、ほぼ新品の溝があるブリヂストンの高級志向タイヤ代表のレグノ。対するは、同じ銘柄だけど意図的に溝がなくなるくらいに表面を削って減らしたタイヤです。

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普通の雨くらいでありそうなカーブに水が溜まった部分をそのまま通過して違いを見てみます。時速70kmで水深1cmの水たまりに突っ込んでいきます。

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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