ルーブル安で需要が急減するロシアで高級車が売れる訳は?

主要輸出品である原油価格の低下で通貨ルーブルが暴落を招き、インフレが加速、金利高騰や欧米の経済制裁などにより、物価上昇率が2桁台に達しているロシア。

TMMR出展 TMMR(トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・ロシア)

石油とガスで税収の半分を賄う同国では、輸出品の価値が下がればルーブルの価値も下がる結果となり、併せてウクライナ問題に伴う欧米の経済制裁も効いているようです。

にもかかわらず、自動車販売店に連日大勢の客が訪れているそうで、メルセデスベンツやレクサスなどの高級車の販売が2桁台の前年増となっています。

その背景として、国民の間でルーブルを手放す動きが出ているようで、あえてクルマを買ってルーブル下落による資産への影響を最小限に抑えようとしている模様。

NHK報道によると、ロシアではクルマの価値が下がり難いとされており、持っているだけでどんどん価値が下がるルーブルよりも、資産の価値を維持できると考えているそうで、預金を引き出してクルマを購入する動きが加速しているのだとか。

TMMR(出展 TMMR)

事実、昨年12月にはそれまで長らく前年比で減少が続いていた新車販売が前年増に転じており、トヨタでは「RAV4」と「カムリ」の販売が好調で+17.3%増となる1.9万台(含レクサス)を販売しています。

ただ、今年に入ると再び減少に転じており、1月は‐13.2%減(7,839台)、2月が‐37.1%減の7,934台といった状況。 

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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