トヨタ86は「頭文字D」がなければ絶対に生まれていない!

前回紹介した「国産スポーツカーと5人のレジェンド with 土屋圭市トークショー」は、予定の1時間があっという間に経過。白熱トークはとても終われる雰囲気ではなく、2時間近いロングバージョンになりました。また会場も、用意された100席が満席なのはもちろん、大勢の立ち見がグルリと取り囲む大盛況イベントとなりました。

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更にトヨタ86開発者の多田さんからは、「もし頭文字Dがなければ、トヨタ86は絶対に生まれていない!」という開発にまつわる熱い証言も飛び出しました! そこで前回に続き、司会の土屋さんから繰り出された「スポーツカー開発とは!?」という質問に対する5人のレジェンドの熱いトークを紹介したいと思います。

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■スポーツカーの開発とは、世界一を達成することである!

司会の土屋さんの「スポーツカーの開発とは?」という問いかけに、「世界一を達成することある!」と回答したのが、3人のレジェンドでした。

日産の渡邉さんは、「スカイラインR32GT-Rの開発では、生産車として世界性能NO.1を目指していた」と「901活動」について言及。さらに「最初ニュルで半周も走れない頃は、ニュルのプロドライバーに見向きもされなかったけれど、走り込むにつれて認められ、道を譲ってくれるようになった」とコメント。悔しさとプライドが交錯する開発の舞台裏が、目に浮かぶ様でした。

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ホンダの上原さんは「とにかく、一番になることが大変でした」と回想。そして「半端な性能では許して貰えない。スポーツカーは、突き抜けた性能を持っていないといけません。またクルマは、効率の良さが速さに繋がる。効率が良いと、走って気持ちが良いし速い。だから効率を徹底的に追求しました」と、軽量化とNA高回転にこだわり抜いたホンダスピリットがにじみ出てくるようです。

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スバルの森さんも、「WRCで世界一を目指してきました」と回答。そして「世界中のお客様が、期待して待っています。期待を超え、先を行くクルマを作ることが大切。“スバルのAWDは、全天候で気持ち良く走れてしかも速い”というのが理想です」とコメント。また土屋さんから「ランエボとどっちが速い?」と聞かれて「インプです!」と即答するも、「アハハ。今日は三菱がいないからね~!」とツッコミが入っていました。

世界一の絶対性能を追い求める思想と技術が、三者三様で大きく異なるのが素晴らしい。「日本の開発魂ここにあり!」とあらためて実感した次第です。

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