ランクル70が10年ぶりに復活した3つの理由

日本市場で復活を果たしたランドクルーザー70。約10年前に販売が終了したクルマが再販売されるのは相当なレアケースといえますが、実は海外仕様は現役でずっと作り続けられていて、それを日本仕様に手直ししたのが今回発売したモデルというわけです。

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そんなランクル70が、どうしてこのタイミングで復活したのか? 開発をまとめたトヨタ自動車製品企画本部チーフエンジニアの小鑓貞嘉(こやりさだよし)さんが、ファンを集めて行われた発表記念イベント「70 COME BACKセレモニー」で明らかにしてくれました。

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<理由その1>復活を望む、ファンの声に応えて

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ランクル70といえば、それ以降のランクルシリーズとは異なるハードさが特徴。日本にも根強いランクル70ファンがいて、「海外で売っているんだから日本でも!」という声はこれまでもたくさん上がっていました。その声に応えて、今回の発売となったのです。

<理由その2>ランクル70デビューの30周年を記念

 

今年はランクル70のデビューから30周年。それを記念しての復活となりました。チーフエンジニアの小鑓貞嘉さんとともにランクル70を育て続けているトヨタ自動車製品企画本部の大原義数さん(ランクル70に携わることなんと25年!)によると、「日本でも売りたいとずっと考えていました。節目となる今こそチャンスだと考え、デビュー30周年にかこつけて企画を立ち上げたら、社内でも賛同を得られてこうして実現できたのです」とこっそり教えてくれました。

<理由その3>ランクル70本来の魅力を日本で味わって欲しいから

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最低限の電子制御しか盛り込まず、優れた悪路走破性を誇り、頑丈で故障しても修理しやすいのがランクル70。今のクルマにはないそんな味が、ファンにとってはたまらない魅力です。その魅力を日本でも楽しめるようにと願い、今回の発売となりました。

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それにしても、何て男のロマンを感じさせる車のでしょうか。個人的には、荷台を取り付けたピックアップがいいですね。日本で乗る限りランクル70じゃないと行けないような極悪路に行く可能性は低いですが、普通のクルマじゃできない何かが、このクルマを所有するだけでできそうな夢を持てます。そんな「男の道具感」がたまりません。

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(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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