お酒はどれくらいで抜ける? 飲酒運転の罪状と飲酒量まとめ

いよいよ夏本番! 暑い中仕事を終えた後や、レジャーで大自然に囲まれてのビールやチューハイは格別ですよネ。でもクルマ乗りにとっては、油断大敵。アルコールは脳の機能を麻痺させ、速度超過や判断ミスなどの危険運転を誘発するからです。

実際、飲酒運転による死亡事故発生率は通常の9.6倍も高く、飲酒運転は凶器も同然の行為ですから、罰則も非常に厳しく設定されています。そこでここでは「政府広報オンライン」から、飲酒の量と飲酒運転の罪状について見ていきたいと思います。(下絵は警察庁リーフレットを引用)

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そもそもお酒を飲むと、アルコールはどれくらいの時間で抜けていくのでしょうか? 最初に「呼気中アルコール濃度」のグラフを見てみましょう。これは体内のアルコール残量を示すもので「体重1kgあたりの0.75gのアルコール接種後のアルコール濃度」を基準としています。ただちょっとわかりにくいので「体重54キロの人が、中ジョッキのビール一杯とチューハイ一杯を飲んで、アルコール40gを摂取した場合」をイメージしてみましょう。

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「呼気中アルコール濃度」と「酒気帯び・酒酔い運転」の関係

①酒気帯び運転(0.15mg/l以上0.25mg/l未満) → 【免許停止/90日】+刑罰

想定モデルの場合、飲んで3時間も経てば大丈夫かと思いきや、さにあらず。呼気中アルコール濃度は0.15mg/l以上残っており、「酒気帯び運転」で検挙されます。ちなみに仮眠すると早く抜けそうですが、とんでもありません。5時間経っても0.15mg/l以上残るので要注意です。

②酒気帯び運転(0.25mg/l以上) → 【免許取消/2年】+刑罰

想定モデルでお酒の強い人ならば、1時間も経てば酔いは覚めるかもしれません。でも実は、1時間後の呼気中アルコール濃度は0.25mg/lも残っており、「酒気帯び運転」として厳しく処分されます。

③酒酔い運転 → 【免許取消/3年】+刑罰

最も厳しい罪が「酩酊状態」で運転した場合の「酒酔い運転」。しかもこれは、飲酒量や呼気中アルコール濃度に関わらず、問答無用に適用される厳罰です!

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また飲酒運転は、行政処分や刑罰に留まりません。飲酒の影響により正常な運転が困難な状態で自転車を運転して人を死傷させた場合には「危険運転致死傷罪」として処罰されますが、飲酒運転などの悪質な運転に対する適切な処罰をより可能にするため、平成25年11月20日に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が成立しました。

もちろん体質や体型によって、アルコール分解の能力は異なります。でもちょっとした油断や安易な判断が、クルマを殺人凶器に変貌させてしまうことも厳然たる事実。是非とも過信することなく、「飲酒運転撲滅」に取り組みましょう。

■政府広報オンライン http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201312/1.html

(拓波幸としひろ)