スバル360の始まりは「木と釘のおもちゃ」だった!

■「スバル360のすべて」とは?

先日、すべて本の歴代名車シリーズ「初代セリカのすべて」を紹介しましたが、実はその少し前に、「ブルーバードのすべて」が第1号として出版されています。

また更にその前に「スバル360のすべて」が存在していたのをご存じでしょうか? 実は平成15年に「歴代レガシィのすべて」の別冊付録として特別配布されていたのです。

非売品ですが、当時の大変貴重なエピソードが沢山掲載されているので、是非とも紹介したいと思います。

111

■スバル360の原型は「木と釘のおもちゃ」

写真の「木と釘のおもちゃ」、何だと思いますか?  実はこれ、スバルが社外デザイナーの佐々木達三氏に提示した、スバル360の設計要件モデルなのです。佐々木デザイナーは、スバルから「木と釘のおもちゃ」を受け取って粘土を盛り、愛らしい名車スバル360のデザインを産み出しました。「おもちゃ」なんて呼んだら罰が当たりそうですが、なるほどこれなら寸法やプロポーションは一目瞭然だし、釘の位置で内寸限界もわかるので、非常に合理的な方法だと思います。それにつけても、名車スバル360の原型を収めた貴重な写真ですよネ。

2■スバルが提示した設計要件とは?

当時スバルが、佐々木デザイナーにオーダーしたスバル360の設計要件は、次の8点でした。
・外形寸法は360cc軽自動車規格に収める
(全長3000mm以下×全幅1300mm以下×全高2000mm以下)
・乗用定員は大人4人
・強制空冷2サイクル並列2気筒エンジンを搭載したリヤエンジン・リヤドライブ
・エンジン空冷用空気取入口を設ける
・軽量化と鋼板薄化のため、曲面構成として剛性を高めること
・ウインドウ・シールドは曲面ガラスを使用し、視界を広めること
・扉は2ドアでよい
・車体構造はフレームレス・モノコック

こんなにも愛らしいスバル360のデザインは、限られた規格の中で、これだけの要件を満たしていたのです。

10

この「スバル360のすべて」は、なかなか手に入れることができない希少本ですが、今なら電子本で読むことができます。しかも何度かお知らせしているとおり、今なら電子本無料キャンペーン開催中で、スバル360だけでなく、歴代のレガシィのすべて本も入手することができます。7/23迄の太っ腹企画ですから、どうぞお急ぎあれ〜。https://clicccar.com/2014/06/24/259926/

それから、スバル360とミニカの運搬方法を紹介したこちらの記事もどうぞ。
https://clicccar.com/2014/05/30/257060/

(拓波幸としひろ)

1