1.6L直噴ターボがスバルレヴォーグのベストバランス

ツインリンクもてぎで開催されたレヴォーグ・プロトタイプの試乗会に続き、公道でのプレス向け試乗会は箱根をステージに行われました。芦ノ湖スカイランや東名高速を中心に走ってくださいということで、試乗したのは、2.0L GT-S、1.6L GT、1.6L GT-Sの順で、試乗車はすべてEyeSight装着車です。

SUBARU_REVORG_01プロトタイプの試乗時と大まかな印象は変わらず、乗り心地と走りのバランスがいいのは断然1.6Lの方。とくにタイトなコーナーが続く山道では、ノーズが軽くてスムーズに向きを変えることができます。

SUBARU_REVORG_06300ps/400Nmの2.0L直噴ターボと比べると、170ps/250Nmの1.6Lの数値の差は、上り勾配で明らかに感じられますが、SI-DRIVEを「I(インテリジェントモード)」から「S(スポーツモード)」に変更すれば、少し飛ばしたい時くらいであれば十分な加速力を得られます。

そこからさらに「攻めたい」なら全車標準のパドルシフトで、CVTのリニアトロニックを変速させればOK。

なお、スバル自慢のリニアトロニックは、CVTとしては上出来といえる完成度ですが、最新のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)や多段化が進む最新ATと比べると、変速フィーリングで若干のメリハリなさや空走感が時折顔を出します。このあたりは、2.0Lのスポーツリニアトロニックの方が好印象でした。

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話を戻すと、箱根の山くらいだと1.6Lはノーズだけでなく、クルマ全体が軽く感じられ、アイサイト装着車で10〜30kg違う車両重量差以上に軽快感に差があります。

SUBARU_REVORG_02また、乗り心地全般でもフロントを中心に結構大きめのピッチングに見舞われる2.0L GT-Sよりも1.6Lの方が街中や山道ではとくに良好。

2.0L GT-Sは速度域が高まるほどフラットライドになりますから、サーキット走行を考えている人や高速道路をある程度の速度で巡航したい人にはオススメですが、価格やランニングを考えてもベストバランスなのは文句なく1.6Lです。

■スバル・レヴォーグの本命!? 1.6L直噴ターボはどうか?【レヴォーグプロトタイプ・試乗記02】
https://clicccar.com/2014/01/28/245155/

■300ps、2.0L直噴ターボエンジンの痛快な加速感が魅力【レヴォーグプロトタイプ・試乗記03】
https://clicccar.com/2014/01/30/245360/

■スバル・レヴォーグのワゴン離れした強固なボディ剛性感を確認【レヴォーグプロトタイプ・試乗記04】
https://clicccar.com/2014/02/01/245575/

(文/塚田勝弘  写真/安西英樹)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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