トヨタ、日産も参入した軽自動車市場はまさに群雄割拠の時代

1990年代まで、国内市場で2大メーカーと称されたトヨタと日産は、軽自動車を扱っていませんでした。トヨタはグループ会社のダイハツが軽自動車を担当していましたし、日産もマーチやキューブでコンパクトカー戦略を推進していたからです。しかし2000年代に入って、維持費が安く性能も向上した軽自動車へのシフトが顕著になり、ついに日産が他社からOEM供給を受けて軽自動車を販売。そしてトヨタも、ダイハツからのOEM販売で追随する状況となりました。

■日産はOEMから共同開発へ

日産は2002年に、スズキからMRワゴンのOEM車種「モコ」を発売。バンパーとボンネットを専用デザインとすることで、本家よりも魅力がアップしたようでした。三菱からは軽トラ・軽バンのミニキャブを「クリッパー」として、またekワゴンとekスポーツを「オッティ」としてOEM供給を受けました。日産の軽自動車は好評を博したため、より日産らしいクルマづくりと収益性向上を目指して、三菱と共同開発・生産体制を構築。こうしてデイズやデイズルークスをラインナップするに至ったのです。

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■トヨタもダイハツからのOEMで参入

トヨタは2011年から、ダイハツから軽自動車のOEM供給を受けて販売を開始しました。ラインナップはムーブとミライース、ハイゼットカーゴとトラックベースで、ブランドは「ピクシス」で統一。トヨタグループ全体で見ると、トヨタ自身の売上拡大もさることながら、ダイハツ車の販路拡大効果の方が大きいかもしれませんネ。それからグループ会社のトヨタ車体からは、1人乗りの超小型電気自動車「コムス」が発売されています。セブンイレブンの配達車として、街で見かけるようになりましたよネ。今後のトヨタグループの軽&マイクロカー戦略が、大いに楽しみです。

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 (拓波幸としひろ)

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