BMWがi8で目指すもの【BMW i8試乗(1)】

BMWのサブブランドとしてすでにMブランドがあるが、新たにiブランドを加えた。
Mはもちろんレーシングカーフィールを一般道でも愉しめるように仕立てたクルマであるが、iは現代社会に不可欠なサステイナブル(持続可能)なクルマの提案である。
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さきに電気自動車のi3がデビューしているが、アルミニウムでできたシャシーとCFRP(炭素繊維強化樹脂)のボディ骨格を採用し車両重量を抑えることで、少ないバッテリー容量でレンジ(航続距離)を伸ばし、ハンドリング性能を良くし、リサイクル性も向上させている。
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さらにCo2の排出を抑えるためCFRPの素材を作る工場はダムのそばに建設し、車両を組立てる工場も4基の風力発電を備え年間を通して工場で必要な電気を賄い、余った電気は売ることもできるという徹底ぶりだ。

アウターパネルはパートに分かれたPP(ポリプロピレン)を使うのでクルマ1台分の塗装行程を必要としないので大量の水の節約にもなっている。つまり単にCo2排出が少ないクルマを造るだけでなく、その製造工程である工場までもCo2削減、水の使用量の削減に努力しているのだ。
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BMWは駆け抜ける歓びをクルマ創りのテーマにしているが、サステイナブルなクルマを造ったとしても走る歓びを忘れてはいないことを示すのがi8だ。

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2+2のスーパースポーツカーであることは、誰が見ても明確だろう。最高のドライビングパフォーマンスを最少の燃料、最少のCo2の排出で実現しようとしているのである

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PHV(プラグインハイブリッド車)であるi8は、前輪を電気モーターで駆動し、後輪は3気筒1.5リッターガソリンターボエンジンで駆動する。
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前後輪はソフトウエアで接続されたAWD(オールホイールドライブ)である。355Vの高電圧リチウムイオンバッテリーはセンタートンネルの中に収められ、ドライバーとパッセンジャーはその左右の低い位置に着座する。リヤシートはミニマムであるが、ポルシェ911より広い。チャイルドシート固定用のISOFIXアンカーも装備している。
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