欧州市場でVW、ルノー、トヨタの回復傾向が顕著に!

経済低迷で長らく前年割れが続いていた欧州自動車市場ですが、ACEA(欧州自動車工業会)のまとめによると、11月の新車販売台数は97.5万台(前年同月比+0.9%)と、9月以降、3ヵ月連続で前年増に転じており、ようやく長いトンネルを抜け出しつつあるようです。  

2013_01_12(欧州新車販売 ブランド別 ランキング)

1-11月の年間販売累計(上表右側)ではまだ前年割れしているものの、全体では9月度が‐16.8%、10月度が‐9.2%、11月‐2.8%と確実に快方に向かっている状況。 

11月度のランキング上位ではVW傘下のシュコダ(SKODA)の回復が著しく、セアト(SEAT)と共にVWグループの業績を押し上げている状況。

2013_112013_1_11

 VWグループ全体(アウディ、ポルシェ他含む)では25.6万台(前年比+3.2%)となり、ダントツで首位を独走中。通年では284万台を販売しており、市場シェアは25%で前年比+0.1ポイント↑。 

VW

2位はPSAグループ(プジョー、シトロエン)の10.4万台(同‐1.2%)で、通年では124万台を販売。市場シェアは10.9%で前年比‐0.9ポイント↓。 

3位はルノーグループの9万台(同+8.9%)で傘下ダチア(DACIA)の大幅な伸びに支えられ、通年で99.7万台を販売。市場シェアは8.8%で前年比+0.4ポイント↑。 

RENAULT

4位はGMグループ(オペル、シボレー含む)、5位フォード、6位BMWグループ(MINI含む)、7位フィアットグループ(ランチャ、アルファロメオ、ジープ含む)、8位ダイムラー(メルセデス、SMART)と続きます。 

日本勢ではトヨタ(レクサス含む)が9位につけており、11月度は4.3万台(前年比+6.9%)、通年では50万台を販売。市場シェアは4.4%で前年比+0.1ポイント↑。 

TOYOTA

日産が10位、スズキ14位、MAZDA15位、ホンダ16位、三菱18位と続きます。 

スズキ(+15.8%)やMAZDA(+30.9%)、三菱(+54.6%)が顕著な回復傾向を示している一方で、ホンダ(‐4%)がまだ販売減が続いており、気になるところ。 

以上のように、全体としては秋口からようやく欧州の新車販売にも薄日が射して来た状況と言えそうです。 

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 (Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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