ご存じのとおり来年1月下旬に、トヨタ・ノア/ヴォクシーがフルモデルチェンジを受けて新型にスイッチします。じつに約6年半ぶりの全面改良であり、かなりの代替えおよびライバルからの買い替えが予想される、ミドルサイズミニバンの大本命といえるでしょう。
今年はさすがに目立ちませんでしたが、ノアとヴォクシーを足すとモデル末期でも堅調な販売を維持してきただけあって、セレナを擁する日産も、先日一部改良を受けたステップワゴンを擁するホンダも戦々恐々としているのは容易に想像できます。
そこで、日産はミニバンナンバー1を維持すべく、自らビッグマイナーチェンジと称する大がかりな変更を実施しました。
まず、大がかりなフロントフェイスを含むエクステリアデザインの変更が目を惹きます。全車に立体的で存在感のあるフロントグリル、二段構えのヘッドランプを採用しているほか、フードやフェンダー、バンパーのデザインも一新されています。
人気の「ハイウェイスター」は、サイドシルプロテクターやアルミホイール、LEDリヤコンビネーションランプのデザインを変更し、高級感と迫力のあるダイナミックなデザインにイメージチェンジ。
ボディカラーでは、女性ユーザーの要望に応え、「プレミアムディープコーラル」と「ロゼブロンズ」という女性に人気の暖色系カラー2色のほか、ハイウェイスターには虎の目のような凄みと深みを与えたという「タイガーアイブラウン」を設定しています。
インテリアは大きな変更はなく、「ハイウェイスター」の「ブラックインテリア」、「20G」の「フェザーグレーインテリア」を一新するなど、シート素材などの変更が中心です。
また、「ハイウェイスターG」に新規オプションとしてシートのカラー、素材、パネル加飾を刷新して先進感と上質感を合わせ持たせた「プレミアムハイコントラストインテリア」を用意しています。
装備面の注目は、衝突回避支援の「エマージェンシーブレーキ」と車線逸脱警報の「LDW」を最廉価の「20S」をのぞいて標準化した点でしょう。
さらに「MOD」という移動物検知機能を追加した「アラウンドビューモニター」やペダルの「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ふらつき警報」を「アドバンスセーフティ パッケージ」として設定しています。
さて、気になる価格ですが、2WDは最廉価の「20S」が218万4000円、「ハイウェイスターG S-HYBRID(エマージェンシーブレーキ標準車)」が284万1300円、「ハイウェイスターG S-HYBRIDアドバンスドセーフティ パッケージ」が292万7400円。
4WDでは同じく「20S」の245万7000円をボトムに、「20G アドバンスドセーフティ パッケージ」の301万8750円が最も高い値付けになっています。
マイナーチェンジ前との単純な比較はできませんが、エマージェンシーブレーキの標準装備などを考えるとほぼ据え置き、もしくは5万円程度のプラスで、グレードによっては実質値下げといえる買い得感の高い価格設定といえます。
(塚田勝弘)