塚田勝弘 2014年はアメリカン・スポーツの当たり年になりそうです。50周年を迎えるフォード・マスタングに続き、7代目になる新型の「シボレー・コルベット・クーペ」、「シボレー・コルベット・クーペZ51」、「シボレー・コルベット・コンバーチブル」、「シボレー・コルベット・コンバーチブルZ51」の4モデルが発表されました。
6代目となる現行モデルのクーペは、普通に走る分には驚くほど速くはありませんが、ニュルブルクリンクで日産GT-Rを超えた「ZR1」は、フルスロットルをくれると「ボボボボボ〜」と爆音を響かせながら加速していく様は圧倒的。
しかし、フロントノーズ下のカーボン製フロントアンダースポイラーは車道と歩道の段差でもかなり気を使わされるなど、昔より乗りやすくなったスーパースポーツカーが多くなっている気がする昨今、慣れるまでクラッチミートが分かりにくい点も含めて非日常を味わえる一台です。
前置きが長くなりましたが、「シボレー・コルベット・クーペ」、「シボレー・コルベット・クーペZ51」は来年4月12日から、「シボレー・コルベット・コンバーチブル」、「シボレー・コルベット・コンバーチブル Z51」は、5月24日から販売がスタートします。
現行モデルから受け継いだパーツはわずか2つとのことで、45kg軽く57％剛性をアップした新しいアルミニウムフレーム構造とシャーシ、パワートレーンを採用し、当然ながら内・外装のデザインも一新されています。
6.2LのV8エンジンも新開発で、「シボレー・コルベット・クーペ」と「シボレー・コルベット・コンバーチブル」は460ps/624Nm。さらに、スポーツ仕様の「シボレー・コルベット・クーペZ51」と「シボレー・コルベット・コンバーチブルZ51」は、最高出力466ps、最大トルクは630Nmに達します。
なお、「シボレー・コルベット・クーペZ51」の0-60mph加速はわずか3.8秒、コーナリング時の最大横Gは1Gを超えるとのこと。
いまや貴重な大排気量エンジンになりつつありますが、燃費向上のため、新開発の直噴V8には、加速中はV8、クルージング時には、V4として作動するシリンダー休止システムを搭載。「エコ・モード」時は、急加速をしない限り、基本的にV4状態を維持し、米EPAハイウェイモードで12.3 km/Lを達成しています。
足まわりは、「シボレー・コルベット・クーペ」、「シボレー・コルベット・コンバーチブル」には、35mmピストンのビルシュタイン製ダンパーを標準装備し、ダンパーロッドとボディからの入力を分散して受け止めるデュアル・パスのアルミ製マウントも備わっています。
また、「シボレー・コルベット・クーペZ51」、「シボレー・コルベット・コンバーチブルZ51」は、45mmピストンのビルシュタイン製ダンパーに強化され、第3世代の「マグネティック・ライドコントロール（磁性流体減衰力制御システム）」を標準化。新しいツインワイヤーとデュアルコイルを備え、反応速度が40％速くなっています。
さらに、「シボレー・コルベット・クーペZ51」、「シボレー・コルベット・コンバーチブルZ51」に搭載されている「eLSD（電子制御リミテッドスリップデフ）」は、左右後輪間のトルク配分を最適に制御するシステム。速度やステアリング角度、スロットル開度などを検知し、ハンドリングとトラクションがベストバランスになるように、油圧作動のクラッチが常に圧着具合を変化させ、オープン状態から完全なロックまで1／10秒で反応することが可能です。
ボディサイズは全長4495×全幅1880×全高1230mmで、ホイールベースは2710mm、クーペとZ51の車両重量は1580kg。
価格は「シボレー・コルベット・クーペ」（6AT）が929万円、「シボレー・コルベット・クーペZ51」（6AT）が1099万円、「シボレー・コルベット・コンバーチブル」（6AT）が989万円、「シボレー・コルベット・コンバーチブルZ51」（6AT）が1159万円、「シボレー・コルベット・クーペ」（7MT）が918万2000円、「シボレー・コルベット・クーペZ51」（7MT）が1088万2000円です。
（塚田勝弘）
