ワイド&ローのスタイルを裏切らないコーナリングに驚き【ルノー・ルーテシア試乗記02】

ルノーといえば、まず足まわりが気になるという方もいるでしょう。新型ルノー・ルーテシアですが、タウンスピードでは路面の凹凸を正直に伝えるやや硬めのセッティング。先代ルーテシアの路面を舐めるような足の動きと違うので少々面食らいましたが、スピードが上がり、コーナーをひとつクリアする度にルノーらしい豊かなストロークを感じさせるもので、ボディコントロールもかなり巧みです。

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全長は4095mmと日産ノートよりもやや短めで硬めの足まわりとはいえ、ピッチングもローリングも巧みにコントロールされています。

何よりもクイックなステアリングなのに高速道路では盤石のスタビリティ、ワインディングでは鋭いフットワークを見せますから「スポーツカーかよ!」と本当にビックリ。

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先代ルーテシアのステアフィールはすぐにゲインが高まり人工的な感じがつきまといましたが、やや重めの感触は意のままに操れる自然なもので、国産コンパクトカーの手応えのない、妙に軽いフィーリングとはまったく異なります。

新型ルーテシアは、オシャレな街乗りとして最高の雰囲気を持っているだけでなく、従来よりも全高が40mm低くなり、ロー&ワイドなフォルムを裏切らないフットワークは、プジョー208といい勝負をしてくれる印象です。

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VWポロも「BLUE GT」の投入でさらに完成度を高めていますが、少なくても山道ではプジョー208かこのルノー・ルーテシアの方が水を得た魚になりえるかな、と思えました。

圧倒的なシャーシの完成度は、ホットハッチの新型「ルーテシアR.S.」が控えているからこそで、舶来モノを妄信的に持ち上げるわけでなく、乗れば国産コンパクトカーとの差が大きくなってしまっているのは感じずにいられません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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