カーナビは「カー用品店で選ぶべき」と言える6つのワケ

前回説明したように、カーナビには自動車メーカーの工場などで取り付ける「純正品」と呼ばれるタイプと、カー用品店などで販売されている「市販品」が存在します。クルマを買う際には、迷ったことがある人も多いことでしょう。しかし結論から言えば、迷ったら市販ナビなのです。今回は、純正ナビと市販ナビの違いを解説した前回に続き市販ナビを選ぶべき理由となる、市販ナビが純正ナビよりも優れている点をお教えします。 s-_DSC2015

●理由1
コストパフォーマンスの高さは断然 市販ナビ!

カーメーカーやディーラーで取り付ける純正ナビに対し、カー用品店などで販売されている市販ナビのほうが、同程度の性能や機能のナビ同士で比較すると、販売価格が安い傾向にあります。逆に言えば、市販ナビであれば同じ予算でより高性能、高機能なカーナビが選べるのです。

そのうえ価格が定まっている純正ナビと違い、市販ナビであれば、発売してから時間がたつと販売価格がやすくなってオトクに購入することもできます

なかには、新車購入時においてナビが標準装備の仕様だったり値引きサービスに含まれているから「純正品を安く装着できた」というケースもあるでしょう。しかし、ふたを開けてみればそのナビはカー用品店でかなり安く買えるものだったりすることも少なくないのです。思い切ってカーナビレスにして、他の部分で値引きをもらうというのも一つの手です。

 

●理由2
製品サイクルの早い市販ナビの方が先進的!

「市販ナビ」はカーナビメーカーが、性能や使いやすさをとことん追求して作ったものです。純正品に比べると機能や性能が新しいのも特徴といえるでしょう。市販ナビの多くは年に1度など、純正よりも早いタイミングで新製品が登場します。当然ながら新機能や最新技術が順次投入されますから、たとえば画面に触れずに手を振るだけで操作するインターフェイスやヘッドアップディスプレイのような新しい提案など、最新機能や技術は市販ナビの方が早く製品化されるのです。

好みに応じて選べる多彩なオプションを含め、より新しい機能を使ってドライブをさらに楽しめるのが市販ナビの特徴といえるでしょう。 

 ●理由3
好みに応じて選べるのは市販ナビ

 はっきりいって、純正オプションで用意しているナビの選択肢は多くありません。車両組み込み型のメーカーオプションの大半は1種類で、後付タイプのディーラーオプションなら複数のモデルから選べることが多いですが、録音ができるものやフルセグの地デジに対応しているかなどスペックで分類しているだけのことが多く、市販ナビのように好みのタイプを選べるという形にはなっていません。しかし問題は、種類が選べないという単純なことではないのです。好みに応じた個性で選ぶことができないのが残念なことなのです。

対照的に、市販ナビは個性をもたせている商品もあり、好みに応じて選べます。たとえば渋滞に強いナビとか、音楽を楽しむのに適したナビとか、家族共用で使うので操作が分かりやすいナビとか、観光ガイドなどおでかけドライブに強いナビとか、自分の求める個性に合致したアイテムを選べるのは市販品ならではといえるでしょう。

 

●理由4
オーディオも市販ナビの方が高性能

ドライブに音楽はつきもの。自分の好きな音楽を少しでも楽しみたいならば、音質や臨場感に注目しましょう。据え置きタイプのカーナビにはオーディオも内蔵されていますが、クルマの車内環境や自分の好みにあった音に調整する能力は、車内を楽しむことに対する意識の強い市販ナビのほうが優れているのです。それに、自分が普段使っているメディアの再生に対応しているのかどうかも重要。USBやiPod接続のほか、ブルートゥースでワイヤレス再生するといった多彩なメディアへの対応が進んでいるのも市販カーナビの強みです。

さらにこだわりたい人はスピーカーも交換もできることを知っていて損はないでしょう。スピーカーにもいろんな種類があって、クルマの特性や聞く音楽の種類によって選ぶことが可能。まるでライブ会場にいるような気分で音楽を味わいながらのドライブだってできてしまうのです。
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●理由5
市販は、オプションのラインアップが豊富

後席用モニターやリヤビューカメラなどを装着しようとする際には、市販ナビの方が選択肢が多くて自由に選べます。室内のエンターテイメント性を考えても、音楽好きならスピーカー、子供がいる人ならリアモニター、音質やモニターサイズなど幅広くそろっているので自分のライフスタイルや好みに合わせて車をより楽しい空間にすることができるのです。

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●理由6

市販独自のシステムを生かしたナビ能力の高さ

ユーザーを迷わせず目的地まで案内することや移動時間を短縮するといったカーナビ本来の機能に関して、市販ナビは非常に優れた性能を持っているのも特徴です。たとえば市販の人気シリーズである楽ナビでは、通信機器やパソコン経由のダウンロードによって毎月 地図情報を更新できることで、新しい施設や道路にも素早く対応して案内が可能。

また、独自の通信システムを利用して取得できる渋滞情報は純正ナビなどに比べて情報量が非常に多く、その時の道路の流れにあわせて目的地に一番早く到着できるルートを引くことが可能です。操作性や見た目も重要ですが、道案内というカーナビの本質部分の性能にも各メーカーの差があるので、自分のドライブスタイルを考えて選ぶことが、運転時の安心感や快適性につながるのです。

 

●結論
というわけで、市販ナビには純正ナビにはないメリットがいっぱい。純正ナビには車両本体のローンに組み込めるメリットとか、なんとなくカーディーラーで買う事の安心感があるのもわかりますが、それぞれのカーナビの内容をしっかりと見てみれば、製品力でも価格面でも市販ナビを一度検討せずに決めてしまうのは非常にもったいないことなのです。意外に知られていないカーナビ選びの常識、

装着するカーナビによってカーライフの楽しさ・快適さは大きく変わります。市販ナビまでを選択肢に考え、自分に合ったカーライフを実現してくれるナビ選びをするべきなのです。

 

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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