日産リーフ、自動運転は技術の蓄積が可能にした【CEATEC JAPAN 2013】

2013年10月1日~10月5日、幕張メッセにて開催されるIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2013」。今年は東京モーターショー、ITS世界会議東京との連携をしています。そのため、幕張メッセ西ホールを使った体験試乗も開催されています。

日産が走らせているのは、先日公道走行可能なナンバーを取得したことでも話題を集めた、アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム(高度運転支援技術)を搭載した電気自動車「リーフ」です。

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ハンドルやブレーキをクルマが操作して走る自動運転はエレクトロニクス技術の最先端ともいえるもので、革新的なセンサー技術がそれを可能にした……わけではありません。この自動運転・自律走行実験車両では何百万円もする高価なセンサーは使わずに、その多くは市販されているカメラやレーダーセンサーなどを使っているそうです。

過去にも日産は、四隅のカメラを使いクルマを真上から見たように周辺情報をモニターに映す「アラウンドビューモニター」のような、従来のハードウエアを使いながら、制御で新しい提案をしてきていますが、ある意味で、この自律走行もそうした技術の延長にあるといいます。

つまり、センサー技術のブレイクスルーではなく、制御技術トの蓄積によって自律走行を実現したというわけです。

また、情報を取得するカメラは色の認識できるカラーカメラを採用、信号や標識を認識するので一時停止も行ないますし、車速は指定速度を維持することが可能。今回のデモ走行では実施していませんが、指定速度が30km/hから50km/hへ変わったことを標識で確認すると、しっかりその速度まで加速するということです。

会場に訪れた日産自動車・社長のカルロス・ゴーン氏も、この自動運転リーフに試乗。

「自動運転技術は、今や社会から将来必要となり、役に立つものして、次世代の自動車の方向性を示す技術であると言われています。この試乗は本当にすばらしい経験でした。当社は、意義ある技術を通じて、技術の日産を復活させられる知恵や技術、そして情熱を持っています。この自動運転技術はまさしく意義ある技術です」とコメントしています。

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(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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