クラウン“全車4気筒化”が進行中!?

「売れるクルマよりも、いいクルマ作り…」。トヨタのリボーンはピンクのクラウンよりもそこに集約されていると思います。新ISやGSなどに乗ると、欧州車を凌駕したとは言いませんが、「欧州車と比べてみたいね…」と思わせる走りに進化・熟成されていると思います。

そんなフットワークに対してパワートレインは「ウーン…」と言わざるをえないのも事実でしょう。V6-3.5Lから熱効率38.5%を誇る直4-2.5Lへと大変貌したハイブリッドは、クラウンだけでなく欧州向けのレクサスGS(GS300h)にも搭載されています。

 

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それに対し、V6のガソリンエンジン車はリファイン程度でお茶を濁しています。百歩譲ってパフォーマンス志向のV6-3.5Lはともかく(でもアイドルストップくらいは欲しい)、パフォーマンスはハイブリッドに近い上、燃費ではボロ負けのV6-2.5Lの存在意義は? そんな意地悪な質問に、トヨタの関係者は「今回は開発をハイブリッドに注力した」、「V6-2.5Lは個人タクシー需要のため」と苦しい言い訳をしていましたが…。

今回、V6エンジンに手を加えなかった本当の理由は、マイナーチェンジでエンジンがドーンと変更されるからなのです。ハイブリッドが直4になったのはトヨタ/レクサス改革の序章であり、次のマイナーチェンジではガソリンエンジンも直4化されるのです。

フランクフルトモーターショーでお披露目された「LF-NX」は、RXの弟分「NX」というモデルを示唆するコンセプトカーです。このモデルには直4-2.5Lハイブリッドと共に、トヨタ/レクサス初となる直4-2.0Lのダウンサイジングターボのターボエンジンが採用されるのです。このエンジンは2.5L(2AR系)をベースに2.0Lへ排気量ダウン+ターボ装着というユニットになります。

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もちろんNXはFFベースのSUVなので横置きエンジン仕様ですが、2AR系のエンジンは縦置きも可能なのは、クラウン/ISのハイブリッドモデル(2AR-FSE)で証明されているので、この2.0LターボはFR系モデルにも使用可能…なわけです。

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現在の技術であれば、環境性能をクリアさせつつ300psオーバーは全く問題ないでしょう。A45 AMGなんて360psですからね。つまり、2LターボでもV6-3.5Lのパフォーマンスを超えることも何ら問題ないですし、過給圧違いの仕様(200ps前後!?)でV6-2.5Lに変わる仕様も設定可能です。もちろん、「D-4S」や「アイドルストップ」を組み合わせることで、燃費性能も大きくアップすることでしょう。

CROWN HEV

クラウンやISに直4ハイブリッドを搭載したネガは、ハイブリッドの好調ぶりを見る限りはないと言っていいでしょう。まずはハイブリッドで市場の反応を試してみて、MCで満を持して直4の新ガソリンエンジンを投入。リボーンと言いながらも、やっぱり「石橋を叩いて渡る」堅実なトヨタ/レクサスなのです(笑)。

(大地 颯人)