クルマは消費税増税前に買うべきか!? 増税後に自動車取得税は減額・廃止案も浮上

2014年4月に8%、2015年10月には10%となる予定の消費税。200万円のクルマの場合、再来年には10万円アップとなるだけに、増税前に買うかどうかで迷うところ。 

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その一方で消費増税と平行して「自動車取得税」を2段階で引き下げ、消費税を10%とした段階で廃止するという話も有ります。 

日本自動車工業会(自工会)や日本自動車連盟(JAF)などの団体が2012年度エコカー補助金受付終了(9月21日)後の国内新車需要低迷を危惧して昨年来、現行の「自動車取得税(5%)」や、既に課税根拠を失っている「自動車重量税」の即時撤廃を政府に強く求めて来ました。 

国内自動車販売推移

中でも「自動車重量税」は車検の度に負担を強いられる代物。 

出展 JAF

そうした中、自民党と公明党が年初に取り纏めた「2013年度税制改正大綱」によると、「2014年4月に消費税を8%とした段階で新車購入時にかかる自動車取得税を軽減し、2015年10月に消費税10%とした段階で廃止すると共に自動車税の中で環境性能等に応じた課税を実施する」としています。 

一方、課税撤廃の本命だった「自動車重量税」については「道路の維持管理・更新の為の財源として位置付け、自動車ユーザーに還元されるものであることを明らかにする方向で見直しを行う」として、結果的に今回は廃止が見送られました。 

出展 国土交通省

現在実施中の「新エコカー減税」による重量税減免適用期間は2015年4月30日まで。

出展 国土交通省

という訳で、2015年10月に消費税が10%になっても「自動車取得税(5%)」が廃止されれば±0で増税無しということに。 

また2014年4月~2015年10月の消費税8%の間に於いても税制改正大綱に明記されたとおり、自動車取得税が軽減(5%→2% ?)される為、ここでも恐らく±0に。 

但し細かい事を言えば、「自動車取得税」は自動車購入時の総額ではなく、取得価格に含まれる物(オーディオやエアコン等)と含まれない物(スペアタイヤやシートカバー、マット等)が有る為、現在は実際の課税対象が約90%となっています。 

なので自動車取得税は「5%」と言いながらも実質は税抜き本体価格の「4.5%」となっており、消費税が10%となった場合はこれが全体に課税されることになる為、差額分の0.5%アップすることに。 

と言っても200万円のクルマなら1万円程度の話しですが。 

以上を纏めると、数年以内にクルマの買い替えを考えているなら、確実な線で販売店の決算時期とも重なる2014年度増税直前の3月、もしくは現在のエコカー減税が切れる2015年3月中に登録を済ませるケースが考えられ、且つその年度を逃したとしても、今後もさほど大きな痛手にはならないと予測。

何せ、日本経済を支えていると言っても過言では無い自動車産業だけに、今以上の理不尽な自動車増税で国内新車市場が冷え込めば、日本経済への影響は計り知れない為、自工会を筆頭とした各種自動車関連団体も自動車税見直しに関する政府への働きかけをいっそう活発化させている背景も有ります。 

出展 日本自動車連盟(JAF)

米国の約47倍と言われる日本の自動車諸税は日本の総税収の約10%に達しており、高騰するガソリン等の燃料税も含めて自動車ユーザーにとって大きな負担。 

そもそも過去の歴史を見ても消費税増税は復興過渡期の日本経済を再び冷え込ませることに繋がる可能性が高いことから、本来消費税は据え置くべきで、加えて「自動車取得税」と「自動車重量税」完全撤廃が実現するその日まで、我々自動車ユーザーも声を大にして要求し続けていく必要が有りそうです。 

■JAF自動車税制資料
http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/tax.htm 

■2013年度税制改正大綱     PDF資料 

■エコカー減税概要 (国土交通省)    PDF資料

■自動車重量税概要 (国土交通省) PDF資料

■自動車税グリーン化特例(国土交通省) PDF資料 

■エコカー補助金(環境対応車普及促進事業補助金)概要
  http://www.cev-pc.or.jp/ECO/index.htm 

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 (Avanti Yasunori

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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