ポルシェもEVで復活! 150万円で電気自動車に改造できるキットも登場でEVの新たな楽しみ方とは?

2013年7月13~15日にかけて、横浜みなとみらい21 グランモール公園において『第二回 コンバージョンEVフェスティバルinよこはま』が開催されました。いまやEV(電気自動車)といえば、ゼロ・エミッションカーとして世界中の自動車メーカーから登場していますが、コンバージョンEVというのは既存のエンジン車をEVに変更(コンバート)したものを指す言葉です。

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というわけで、コンバージョンEVフェスティバルにおいて、主役級の存在感を示しているのはポルシェ911ターボ(930)や日産フェアレディ、ホンダS800といったビンテージスポーツカーをEVに改造したクルマ達。

シュルシュル・ヒューンといったEV特有の電気ノイズと、駆動系からの音を静かに奏でながらデモ走行を行なうビンテージスポーツカーは、まさに未来のエンスー(クルマ趣味人)像を示しているよう。通りかかった人々も、興味深げにクルマを眺めたり、ケータイやスマホでパシャパシャと撮影。注目度の高さを感じさせました。

 さて、コンバージョンEVで目立っているのは、そうしたビンテージスポーツカーですが、一方で既存車に向けたEV改造キットも増えてきています。

今回のコンバージョンEVフェスティバルでは、チューニングパーツで有名なアペックスのコンバージョンキットを使って電気自動車に改造されたスズキ・エブリィがおおいにアピールしていました。 

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整備工場での改造や教育目的(整備士学校など) として用意された専用コンバージョンキットの価格はおよそ150万円といいます。この価格だけを聞くと、かなり高価な印象を受けますが、モーター・鉛バッテリー・コントローラーほか、専用ハーネスやアダプターなど、スイッチのひとつまでセットされボルトオンで組み付けられるEV改造キットが、この価格帯というのは部品手配の手間を考えると、十分に納得できるものといえそうです。

ちなみに、ベース車両は5MTとなりますが、シフト位置は5速(直結ギア)で固定、クラッチペダルも外してしまう2ペダル仕様。前進・後退はメーターパネル脇に設置されたスイッチでモーターの回転方向を変えることで切り替えます。

スズキ・エブリィのほかダイハツ・ハイゼット用にも同様のコンバージョンキットを用意しているそうです。

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■関連リンク
Apex コンバージョンEV webページ
http://www.apexi.co.jp/ev/ 

 

そのほか、浜松の池戸熔接製作所が持ち込んだ3台の超小型電気自動車「Micro-Mobility」 も、そのキュートなサイズ、ユニークなルックスで、通りかかった人々の熱い視線を集めているようでした。

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■「Micro-Mobility」 動力性能スペック
モーター出力:1.8kW
バッテリー:60V
最高速:45km/h
航続距離:80km
定員:2名

 

オリジナリティあふれる手作りコンバージョンEVが、新しい自動車の楽しみ方を示した3日間だったといえそうです。

 (山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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