自動車盗難・車上荒らしを未然に防ぐ方法5つ

自動車盗難や車上荒らしが後を絶たず、読者の中にも被害に遭われた方もみえるかもしれません。

政府(警察庁、財務省、経産省、国交省)や日本自動車工業会、JAF、損保協会などで組織する「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」の纏めによると、自動車盗難件数は10年前に比べれば数々の対策で半数以下に減りつつあるようですが、それでも2010年以降、年間2万台以上のクルマが盗難被害に遭っており、2013年度も5月末現在で既に9000件近い被害が発生しています。

(出展 官民合同プロジェクトチーム)

■参考データ (出展 警視庁)
あなたが住んでいる町の自動車盗難・車上荒らし発生状況は?(関東地区)

(出展 官民合同プロジェクトチーム)(出展 官民合同プロジェクトチーム)

では一体どうすれば被害から愛車を守れるのでしょうか ?

その前にまず「官民合同プロジェクトチーム」が纏めた盗難が発生する背景から見て行きましょう。大きく3つあるようです。

不正輸出 
 規制緩和により簡素化された中古車輸出手続きを悪用して
 大規模な窃盗団が盗難車を不正輸出  
 海外で日本からの盗難車を多数発見

暴力団対策法
 1992年の法改正により、暴力団の資金源が減少した為、
 盗難車売買が暴力団の資金源に 

日本人の国民性
 自動車盗難の25%以上が「キー」の付けっ放しや車内放置
 日本人の危機意識が低く外国人を含む悪質な窃盗団に
 付け入るスキを与える

海外への高級車不正輸出、部品取り、逃走利用、犯罪手段、暴力団資金源等を目的とした窃盗などが多く、金品・カードなどの貴重品や部品盗(タイヤ・ホイール・カーオー ディオ・カーナビ・ナンバープレート等)も。 

(出展 官民合同プロジェクトチーム )

実際に盗難に遭った場合、多くは次のようなリスクが待ち受けていると言います。

 ・仕事や日常生活に支障
 ・支払い中の自動車ローン残存
 ・クレジットカード・免許証・携帯電話などの貴重品損失
 ・カーオーディオ・カーナビなどの損失
 ・盗難車が発見されても損傷が激しく修理が困難
 ・盗難車による事故で管理責任を問われる場合も

具体的な犯行手口は以下のパターンが多い模様。

 ・窓の隙間から針金で解錠
 ・ドアハンドルやドアキーを工具でこじって侵入 
 ・窓ガラスをハンマー等で割って侵入
 ・複製キーや車体に隠されたスペアキーで侵入
 ・工具等でステアリングロックを破壊
 ・レッカーやクレーンでクルマごと持ち去り
 ・キーを預ける施設でクルマの持ち主になりすまし

以上のようにちょっとした油断が原因で大きなリスクを負うことに。
こうした被害を防止するには以下の5つの対策が有効とされています。

(1)エンジンキーを車内に残さない・スペアキーを隠さない
(2)クルマを離れる際は窓ガラス全閉でドアをロック
(3)車内に財布などの貴重品やカバンを放置しない
(4)夜間は見通しが利く明るい場所に駐車
(5)各種セキュリティグッズを併用

(1)~(4)についてはどれも当たり前のような事ばかりですが、これが意外に実践出来ていないのもまた事実。

(5)では警報・通報装置取付け、「警報装置付き」ステッカー貼付け、ハンドルロック装置やイモビライザーの取付け、人が近付くと点灯するセンサーライトの設置等が有効とされています。 

出展( 警視庁)

大事な愛車を盗難から守る秘訣はやはり「基本的な事を日々実践」するのが一番の未然防止になるようです。

当ブログで以前にご紹介した記事も是非参考にしてみて下さい。
https://clicccar.com/2013/04/17/217947/
https://clicccar.com/2013/04/14/217717/
https://clicccar.com/2012/05/25/157047/
https://clicccar.com/2011/12/15/93563/

備えあれば憂い無し。

■警視庁関連サイト
 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/bouhan/tounan/gidousha.htm 

■自動車盗難 官民合同プロジェクトチーム Webサイト
 http://www.car-tounan-boushi.jp/top.html

〔関連記事〕
・車両盗難率ワースト1の愛知県がトヨタに要請した秘策とは?
 https://clicccar.com/2013/02/20/213356/

・2年間で19倍!プリウスの盗難台数激増中のワケとは?
 https://clicccar.com/2012/06/17/166473/

 (Avanti Yasunori) 

【画像ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】  https://clicccar.com/?p=224246

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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