アベノミクス効果で品質問題に揺れる三菱自も「増収・増益」!

昨年から今年にかけて軽やアウトランダーPHEVの不具合によるリコールが相次ぐ三菱自動車ですが、同社が4月25日に発表した2013年3月期決算によると、連結売上高は1.81兆円(前期比+0.4%)、連結営業利益は期末にかけての円安の影響も有り、674億円(同+5.8%)と昨年に続き増益となっています。 

三菱 アウトランダー

三菱自動車 決算推移

但し国内販売では13.4万台(前年同期比-11.4%)と振るわず、3年連続で前年比減となっており、シェアが昨年の3.5%から2.8%へと低下。

三菱自動車 国内販売推移

2012年8月末に発売したミラージュがCMの話題性とは裏腹に新車効果が続かなかった事や軽販売の不振が主な要因で、全体としては東南アジア市場の好調に救われた形。

同社は決算発表日直前の4月23日に新型アウトランダーPHEVの不具合でリコールを届け出ており、今回増収、増益とはなったものの決算報告会で益子修社長に笑顔が見られることは無く、報告会では社内品質管理体制の甘さにも言及。 

三菱 営業利益推移

同社は昨年、市場や国土交通省からの指摘により、ミニカ、ミニカ トッポBJ、ekワゴン、ミニキャブ、タウンボックス、日産にOEM供給しているオッティ、クリッパーなど総台数176万台以上に及ぶ既販車を対象に2010年11月~2012年12月にかけて4回に渡って断続的にリコールを実施。

 国交省は「リコール対応への姿勢が消極的」として、昨年末に同社に対する異例の口頭での厳重注意の後、本社や全国の販売店に立ち入り検査を実施。 

今回の決算報告では益子修社長がこの問題について「改善策を確実に実施していく」と謝罪。カスタマーファーストプログラムの導入や社長直轄の改革委員会を設置して社内改革を進めていく方針を説明。 

4月23日には「アウトランダーPHEV」のフロントパワードライブユニット(FPDU)、リヤモーターコントロールユニット(RMCU)、駆動用フロントモータや発電機に不具合が有るとして3,839台をリコール。

 三菱 アウトランダーPHEV

翌4月24日には「アウトランダーPHEV」及び「i-MiEV」「MINICAB-MiEV」に搭載されている駆動用リチウムイオン電池の溶損不具合について、三菱商事・三菱自動車・GSユアサの3社による合弁会社「リチウムエナジー ジャパン」が電池製造ラインに導入したスクリーニング検査に於いて過大な衝撃を加えたことによる内部ショートが原因との調査結果を発表。  

三菱自動車は来期の見通しについて、日産との共同開発による新型「eKワゴン」、「eKカスタム」の投入や、新型「アウトランダー」の世界展開の本格化、新興諸国における現地生産車種の追加投入などを通じて販売台数増を実現する考えを発表。 

前年比+18%増となる117万台の世界販売を計画しており、対前年度で増収・増益を目指すとしています。 

三菱 ekワゴン

三菱自動車 2013年3月期決算報告概要 

【2013年3月期生産実績】
世界生産 112.2万台 2010年以来、2年ぶり前年比増(前年比 + 6.5% )
国内生産  48.6万台 2011年以来2年連続前年比減(前年比▲17.0% )
海外生産  63.6万台 2009年以来4年連続前年比増(前年比 +35.8%) 

 アジア生産 53.4万台(前年比+43.2%)
 北米生産 4.8万台(前年比+53.7%)
 欧州生産 1.3万台(前年比-38.1%) 

国内販売 13.4万台 2010年以来3年連続前年比減(前年比▲11.4%)
輸出出荷 34.5万台 2011年以来2年連続前年比減(前年比▲17.7%) 

【2014年3月期業績見通し】
売 上 高 : 2兆2,700億円、前期比+4,549億円(+25%)
営業利益: 1,000億円、前期比+326億円(+48%) 

■国土交通省三菱ミニカ、ekワゴン他 リコール情報
  http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_000716.html
  http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_000991.html
  http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001021.html
  http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001215.html 

■国土交通省 三菱アウトランダーPHEV リコール情報
  http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001304.html

〔関連記事〕
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 (Avanti Yasunori) 

【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/?p=219938

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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