VWグループのアウディがフィアット傘下のアルファロメオの買収に向けてトップが交渉に動いているとして話題になっています。
これは米国の自動車メディア「WARDS AUTO」が両社に近い消息筋から入手した情報として伝えているもの。
同メディアによるとフィアットのセルジオ・マルキオンネCEOとアウディのルパート・シュタートラー会長がアルファロメオブランドのアウディへの売却に向け、トップレベルの会談を行なっているとしています。
アウディは2012年4月にもイタリアの2輪メーカー「DUCATI(ドゥカティ)」を買収して傘下に収めたばかり。
売却対象にはイタリアのポミリアーノ・ダルコ工場も含まれているようで、アウディは買収後、同工場でアルファ ロメオ・ブランドの新型車を生産する計画と言います。
ちなみに今回の話は突如持ち上がったという訳では無く、2010年にもVWがアルファロメオの買収を画策していましたが、その時点では両社の交渉は成立しませんでした。
その後、フィアットグループは欧州債務危機で2012年の年間販売台数が前年比-15.8%と低迷。中でも傘下のアルファロメオは同-31%と大きく販売を落としました。2013年度に入ってもその傾向は変わらず、むしろ前年同期比で-40%とさらに落ち込んでいます。
アルファロメオ部門がフィアットの経営を大きく圧迫していることは間違い無さそうです。
米クライスラー社のCEOを兼任するセルジオ・マルキオンネ氏が販売が好調な米国で得た資金をアルファロメオ部門の再建に注ぎ込んで来たものの、一向に改善する兆しが無いことで止む無く同部門をフィアット傘下から切り離す決断に至ったとしても何ら不思議は有りません。
VWにしてみれば低迷する欧州市場で遂に傘下のアウディを通してアルファロメオを取り込む絶好のチャンスが到来したとも言えそうです。もしかすると、アルファロメオにとってもむしろその方が幸せかもしれません。
おりしもアルファロメオはMAZDAと提携して次期ロードスターの兄弟車を開発中で、MAZDAがそうした提携先の状況をどのように受け止めているのかも気になるところではあります。
VWのDSG(デュアルクラッチトランスミッション)でも何らかの縁が有りそうなアルファロメオですが、今後の動きが注目されます。
〔関連記事〕
・MAZDAとFIATの業務提携で新FRスポーツが誕生する !?
https://clicccar.com/2012/05/24/156410/
・MAZDAとアルファロメオを親に持つ次期FRスポーツが判明 !?
https://clicccar.com/2012/06/27/169818/
【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】https://clicccar.com/?p=217127