燃料電池でダイムラーとルノー・日産、フォードが提携、2017年に量産FCVを発売

ハイブリッドやプラグインハイブリッド、電気自動車、クリーンディーゼルなどエコカーの選択肢が広がって、とくにHVとPHVに加えてクリーンディーゼルもいまや日本では現実的な選択肢になっています。

上の写真は、左からフォード社グローバル・プロダクト・ディベロップメントグループバイスプレジデントラジ・ナイール氏 、ダイムラー社 取締役、グループリサーチ、メルセデス・ベンツ・カーズ開発統括のトマス・ヴェーバー氏、日産自動車 研究・開発担当副社長/取締役 山下光彦氏 

しかし、次世代エコカーの本命とされるのはFCV(燃料電池車)です。数年前まで1台1億円くらいの価格になるといわれていましたが、HVやEVの普及により電池の価格などが下がったことで、数年後には登場するかもしれません。「トヨタ+BMW」の提携に続き、「ダイムラー+ルノー・日産+フォード」の3社合意が発表されました。

 

ダイムラーとルノー・日産は、2010年4月の提携で、燃料電池(FC)やパワートレーンの共同開発などを進めていますが、これにフォードも参加。フォードは、トヨタからハイブリッド技術の供与を含めた共同開発をするなど、提携が複雑な形になっているような気がします。

今回の「ダイムラー+ルノー・日産+フォード」共同開発では、2017年頃に世界初となる、手頃な価格の量産FCVを発売予定するとのこと。この提携は莫大な開発費を削減するのが狙いで、デザインの共通性を高め、規模の拡大でコストダウンを図ることも狙っているそうです。

日本勢では、「X-TRAIL FCV」を開発した日産がすでに神奈川都市交通にFCVのタクシーを実証運行したり、アメリカのコカコーラ社に納車したりしています。筆者も何度か同上走行ですが、体験したことがあります。

この3社で合計すると、累積で60年以上となるFCVの開発経験があるとのことで、どんな量産FCVになるか楽しみであるのと同時に、FCVの開発で進んでいるホンダが単独で行くのか、それともタブーを破ってどこかと手を組むのかにも注目です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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