素直に「これ乗りたい!」と思えるトヨタの人車一体ハイブリッド“MINUTE-S”【大阪オートメッセ2013】

ひとり乗りのコンパクトな乗り物、“MINUTE-S”は、トヨタのエンジニア集団であるトヨタ技術会で作成されたものです。

フロント二鈴、リヤ一輪(ただし、ダブルタイヤ)としたことで、まだナンバーは取得できていませんが「側車付き小型二鈴」という範疇にカテゴライズされる予定だそうです。つまり、サイドカー付きのバイクってことですね。

興味深いのは、動力ユニットがトヨタ・アクアのハイブリッドシステムを流用しているところ。

ヤマハの二輪用250ccエンジンをアクアの動力分配ユニットにチェーンで伝えられているそうです。基本的には制御系ユニットも多少のプログラムを変更してそのまま使用しているそうです。

さらにバッテリー自体も容量を含めアクアのもの(6.5Ah)を流用しているので、サイズ、重量に対してかなり余裕があるのではないでしょうか? さらにPHV的な車両に発展することも考えられます。

フロントサスアーム類は、外から見えるデザインの一部として、美しく仕上げるのにこだわったそうです。

気になる性能ですが、燃費はバイクのモード燃費で35km/L程度になりそうだそうです。モード燃費で見る限り驚くほどの好燃費というほどではありませんが、軽い車重(539kg)のお陰で実燃費はかなりよくも走れそう。もちろん、飛ばすとそうでもないでしょうけど。

そして、最高速度は意外にも80km/hに抑えられています。

これは、実際に使える速度域でフルに性能を発揮できるよう設定されているものだそうで、お陰で加速は0-60km/hが3秒とのこと。これが速いのかわかりにくいのですが、2011年の東京モーターショーに出展されたホンダビートの後継車的存在と見られる「EV-STER」が「0-60km/h加速は5秒」と発表されている(https://clicccar.com/2011/11/30/87610/)ので、その倍近い加速と言えなくもないです。といっても、EV-STERがどれくらいの速さかはこれまたわかりませんが。

発売に対してはまったく未定とのことですが、バイクとして登録ができることを考えれば十分期待が持たれます。なので、価格が決まってるはずはないんですが、その出来映えから200万円くらいならアリなんじゃないかな、と思いました。みなさん、いくらなら欲しいと思いますか?

(小林和久)

 

 

 

 

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
続きを見る
閉じる