日産リーフの心臓部に家電のノウハウ。軽量化に役立ったパナソニックの技術

2012年秋のマイナーチェンジで約80kgという大幅な軽量化を実現した日産リーフ。そのポイントとして、バッテリーパックや高電圧ユニットの改良が効果大だったといわれています。

駆動モーターの上に、コンパクトにまとまった高電圧ユニット。その天辺に配置されているのが車載充電器ですが、このシステムは、じつはパナソニックが初めて開発した車載充電システムということです。

パナソニックというと家電のイメージが強いところですが、カーAVや電装システムの開発で培ってきた車載特有のノウハウも当然持っています。日産自動車と共同で開発したという、このリーフ向け車載充電システムは、これまで家電の開発で培ってきた高効率な電力変換技術、漏電検出技術などを応用しているのが特徴。

コンパクトなユニットの中に、家庭用電源からの充電機能(AC100~240V、充電能力3.6kW)、急速充電機能(CHAdeMO)、DC/DCコンバータ(1.8kW)機能を詰め込んでいるということです。

「自動車の白物家電化」という比喩もありますが、まさに心臓部といえる部分に家電のノウハウが投入された日産リーフ。今後、電動車両が増えていくに従って、ますます「クルマと家電の融合」は進むのかもしれません。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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