500万円が2日で完売! 伝説の22B STi バージョン驚きのポイントとは?【インプレッサ生誕20周年】

インプレッサ22B STi Versionといえば、スバリストなら誰しも憧れる名車。

22BはE型へ年次改良されたインプレッサ WRX typeR STi VersionⅣをベースに400台限定で販売されたスペシャルマシン。

何がスペシャルなのかと言えば、当時WRCでスバルのワークスマシンとして活躍していたインプレッサ World Rally Car97のイメージを極力再現するために専用の大型フェンダーを装着し、エンジンは専用チューニングの2.2L 水平対向エンジンを搭載、足回りにはWRCのワークスマシンと同一ブランドのアイバッハ製サスペンションとビルシュタインダンパーを組み合わせた物が奢られるなど、数々の専用装備を装着している点が挙げられます。

その中でも大型フェンダーは、富士重工にて標準フェンダーのインプレッサtypeRを組み立てた後、ViVio T-Topをはじめ、日産のパイクカーの製造などを手掛けた高田工業という会社に持ち込まれ、標準フェンダーを取り外し、大型フェンダーに交換されました。

この大型フェンダー、特にリヤのフェンダーは元々のフェンダーを切り取り、ワイドフェンダーを溶接し直して装着すると言う、殆ど手作業の工程を行った事で、1日の生産台数は2台が限界と言われていました。

もちろん部品として発注する事も出来ますが、価格は前後左右の4枚で約85万円!しかも無塗装状態なので、塗装代や工賃も含めると100万を軽く超える高価なフェンダーでした。

それでも標準ボディのtypeRに乗るオーナーが見た目だけでもと、欲しがる逸品でしたが、残念ながらパーツの発注に車検証が必要な特別部品の為、22Bオーナーでないとこのフェンダーを手に入れる事は出来ませんでした。

インテリアは専用のマットブラック仕上げのダッシュボードで、WR Carのインテリア同様、防眩の為の仕上げが施されていました。

エンジンには200ccボアアップされたクローズドデッキのEJ22を搭載していたのは有名ですが、実はあまりのトルクの太さに、一度発進したら殆ど5速でカバー出来てしまうというのはあまり知られていないようです。

当時は低速トルクが不足がちといったイメージの強かったインプレッサやレガシィだった事もあり、22Bオーナーにとっては200ccのアドバンテージはかなり大きく感じたようです。

後に数々の限定車が登場しましたが、これほどまでに手間のかかっているクルマは22B以降登場しておらず、500万円と言う価格ながら、2日で完売したのもうなずけます。

22Bはインプレッサのみならず、スバルの歴史の中でも偉大な名車と言えるでしょう。

(井元 貴幸)