レガシィマイナーチェンジで大きく変わった所。その2(メカニズム編)

今回はD型になったレガシィのメカニズムについて見ていきましょう(インテリア・エクステリア編はこちら)。

何と言っても最大のトピックは、直噴化され排気量をダウンサイジングしたにもかかわらず300psというビッグパワーを実現したFA20エンジン。

それに伴いトランスミッションも強化され、安全面もドライバーの省力化を含め、大幅に進化しています。

ハイスペック直噴ターボ搭載車設定

・2.0 GT DITに最高出力300ps/5600rpm、最大トルク40.8kg・m/2000rpm-4800rpmを発生するFA20直噴DOHCターボエンジンを搭載、燃費はJC08モードで12.4lm/L。

NAエンジンを含め新世代BOXERエンジンへ移行

・従来型のEJ25に比べパワートルク共に向上。同時にFB25エンジン搭載車にはアイドリングストップ機構を搭載。

高トルク対応リニアトロニック搭載車設定

・2.0GT DIT車には、300ps・40.8kg・mに対応する新開発のリニアトロニックCVTを搭載。SIドライブS#モードではスポーツシフトは従来の6速から8速へ進化(※前期型に設定されていた6MTは消滅)。

2.5LNAエンジン搭載車にも新設計のリニアトロニックCVT搭載

・2.5L NAエンジン用のCVTも新設計とし、低燃費化と小型化を実現。

ボディ剛性の強化

・クレードルフレームへ溶接個所を追加。リヤ側にサポートフレームを追加。
・リヤの剛性を高め、コントロール性や応答性を向上。

サスペンションリファイン

[全車]
・フロントダンパーの減衰力変更、およびロール速度抑制の為にストラットに新規バルブ構造を採用。
・フロントサスペンションのバネレート変更。
・アームブッシュフロントのインターリングをハード化。
・サブフレームブッシュの特性変更。
・トレーリングリンクブッシュリヤのハード化。
・マウントショックリヤのゴム特性ハード化および、ボディ締結ナットフランジ径の拡大。
・フロントスタビライザー サイズアップ(B4・Touring Wagon Φ23, OUTBACK Φ24, OUTBACK S Package Φ26)

[OUTBACK]
・フロントダンパーにロール速度抑制の為、ストラットに新規バルブ構造を採用。

■Eyesight(Ver.2)が更に熟成、進化。

[追従・低速クルーズコントロール]
・車速設定ステップを1km/h毎に設定可能
・追従走行時、ブレーキ操作無しで前走車に追従停止した場合でもアイドリングストップを作動。
・前走車追いつき時の応答性を改善。

[プリクラッシュブレーキ]
・視認性改善による作動範囲の拡大。
・カーブ走行時の前走車認識性能向上。
・横断歩行者の認識性能向上。
・プリクラッシュ停止時の停止保持時間を無限大に変更。

安全性向上

[シートベルトリマインダー]
全座席のシートベルト着用状況をモニターし確実な装着を促すことが出来る。

[ブレーキオーバーライド]
アクセルとブレーキが同時に踏み込まれた場合、エンジン出力を絞り、ブレーキの制動力を優先。

[ワンタッチレーンチェンジャー]
・ウィンカ―レバーのワンアクションで、方向指示器が3回点滅する機構。車線変更等でレバーを戻す操作が不要となる。

[全席ワンタッチパワーウィンドゥ化(挟み込み防止機構付)]
・万が一の挟み込み事故防止と共に、運転操作に集中できるようになった。

歴代レガシィで初めてマニュアルの設定がなくなり、初代モデルから続いていたEJエンジンもいよいよ世代交代となるBR/BM D型レガシィ。
24年続いたレガシィのMT設定が無くなるのは非常に残念ですが、これもまた時代の流れかもしれません。

(井元 貴幸)