トヨタハイエース・レジアスエース、マイナーチェンジ詳細情報

トヨタ自動車は5月7日にハイエースとレジアスエースを一部改良し発売する。
今回の一部改良では、セキュリティ面、安全面の充実を中心に一部グレードでは快適性も向上させた。

主な改良点は以下の通り。

1.車両の盗難防止システムとして有効なイモビライザーを救急車を含む全車に標準装備

2.ディーゼルエンジン車には、それまで自動動作のみであった触媒の浄化装置に、新たに手動スイッチを追加。自動でクリーニングしきれなかった場合に、手動で作動させることができるようになった。

3.バンDX以外の全車に車速感知式集中ドアロックを採用し利便性を高めつつ、衝撃感知ドアロック解除システムを採用することで、安全性にも配慮

4.夜間の視認性を大幅に向上させるディスチャージロービームヘッドランプ(オートレべリング機能付)を全車にメーカーオプション(+47250円消費税込)として選択可能になった。

5.バックカメラの映像をルームミラーのディスプレイに映し出すバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーをメーカーオプションで設定(+35700円。バンDX3人乗りおよび3/6人乗りは+42000円)

6.乗車定員14人を誇るハイエース コミューターDXにはGLグレード同様に上下調節式ヘッドレスト、リクライニング機構をセカンドシート以降に装備(フロントシートはヘッドレスト一体式)し、快適性と安全性の向上が図られた

7.ドアを閉めた後も一定時間フロントのルームランプが点灯するイルミネーテッドエントリーシステムを救急車を含む全車に標準装備

各改良部分について思う事をちょっと書いてみました。

1.のイモビライザー標準装備は、つい最近もハイエースのみを狙った窃盗犯が逮捕されたニュースが報道されていましたが、人気の200系ハイエースは高額で取引される為に盗難事例も多いので、全グレードに標準装備されるのは嬉しいニュースです。

2.排ガス浄化装置を搭載するディーゼルエンジンのトラックには以前より装備されていましたが、使用状況などにより自動クリーニングが出来ないことが意外と多くあり、特に商用車として扱われる事が殆どのハイエース、レジアスエースでは必須の装備と言えるでしょう。

3.自動集中ドアロックは、安全に乗客を輸送しなくてはいけないコミューターやワゴン、個人ユースの多いバン・スーパーGLなどでは、ありがたい装備。ドライバーがロックをかけ忘れると言ったヒューマンエラーを未然に防ぎます。
バンDXのみ、頻繁に乗降したり、荷室の開閉も多い配送業などのユーザーに配慮したためか装備されません。

4.改良前のモデルでも一部グレードでは選択が可能であったディスチャージヘッドランプですが、夜間の視認性はもちろん、ルックス的にもドレスアップを楽しむユーザーには嬉しいオプションです。
バルブの球切れがほとんどど無いディスチャージライトは、ビジネスカーとしてはメンテナンスコストを下げる事にも繋がるため、法人ユーザーにも嬉しい装備です。

5.自動防眩インナーミラーは積載物を髙く積み上げる事の多いバンや、乗客を多く乗せる事の多いコミューターやワゴンでは運転席からリヤアンダーミラーが見えない事も多い為、ビジネスユースでは特にありがたい装備といえます。積載物を下した帰り道空荷で夜間走行となる事も多いので自動防眩機能も的を得た機能と言えるでしょう。
筆者も以前レンタカーでスーパーロングボディのグランドキャビンをレンタルしたことがありますが、目視での後退の際にリヤアンダーミラーが見えず、装備されていたナビに装着されていたバックモニターに助けられた経験があります。

6.送迎などで使われることの多いコミューターのシート改良は、後部座席のリクライニングは乗客の快適性を高める上、上下調整式のヘッドレストは正しく調整すれば追突などの際乗客の安全性を高める装備ともいえます。
個人的にはGLグレードを含め、是非フロントシートにも採用すべきだと思いました。

7.イルミネーテッドエントリーシステムもビジネスユースには嬉しい装備。運転席に乗り込んだ後、伝票をバインダーに挟んだり、書類にチェックを入れたり、ちょっとした時間で済む作業でもルームランプを点灯しなくてはならい状況が頻繁にある配送関連のお仕事の方などには重宝されそうです。

ビジネスユースがメインのハイエース、レジアスエースですがドレスアップを楽しむ個人ユーザーも意外と多い人気車種ですので、今回の改良はそのどちらのユーザーにも配慮した気配り装備が多いような気がします。

ただ、一番需要のあると思われるバンDXのバックモニター内蔵ミラーがなぜ、他のグレードより6300円高いのかが気になりました。

■ハイエースならびにレジアスエース、トヨタ救急車を一部改良(トヨタ・ニュース)
http://www2.toyota.co.jp/jp/news/12/04/nt12_015.html

(井元 貴幸)