TEAM DARUMA JAPANの凱旋報告!でも、ここでTE27&TA22ファイナル!?「ラリーモンテカルロ・ヒストリック2011」

TEAM DARUMA JAPANのメンバーより、ラリーモンテカルロ・ヒストリックのレースレポートが有りました。

 

2台揃ってゴール!

本番スタート直前の30日の19時、セリカのボンネットを開けてキャブの最終調整をするといった慌ただしい状況の中、無事二台ともトリノを旅立ちました。ここから学生メンバー全員はサポートにまわって競技車両の完走を目指してサービスを行うことになります。

***ここで、ラリーモンテカルロ・ヒストリックの競技ルール説明を。***

ラリーモンテカルロヒストリックは現在のラリー主流であるWRCとはルールが異なります。
競技車は1分または30秒毎に、毎日朝or夕方スタートします。そして1日に5ヶ所前後のCHがあります。(CH:チェックポイント 通過時間が指定されている)全車両が同じ時間で走れば、スタート時と同じ間隔で全車両がCHを通過します。(まぁ、そんなことはありえませんね)その誤差でポイントが集計されます。

CPはCHとは少し違い、単に通過確認です。時間指定はありませんが、コース通りに走っている事の確認ポイントになります。GPSや携帯がない時代には、CHやCPの通過記録を元に、競技車両の状況把握(例えばCHは通過したが次のCP以降は通過していない…となると、その間にクラッシュ等のアクシデントを判断し、救助・回収を検討)という目的もあり、設置されているようです。

ZR区間は、数km~数十kmと区間により様々ですが、その区間のスタートからゴールまで、常に一定のスピードで走らなくてはならない区間です。昔は途中に何ヶ所か測定機器が設置されていたそうです。なので、その機器に合わせて一定速度を守って通過すればよいと思いがちですが、その設置場所は非公開。なので、常に一定で走る必要があります。…と云っても、勿論ゆっくりなどではなく結構なペース。今は競技車両にはGPSユニットを装着するので、こちらで測定している様です。その測定結果の0.1秒単位の誤差でポイントに差はついて行きます。

競技では指定ルートの中に、ところどころに出てくるCH、CPそしてZR区間を消化しつつ、指定時間内迄にゴールします。(指定時間をオーバーするとリタイア)サービスポイントはZR区間(サービス禁止)をさけ、その前後やCHの付近、走行距離を考えて設定します。そのタイミングで給油、タイヤの空気圧チェック、そのほかの点検等を行っています。

***CP,CH,ZRは不通過でも失格にはなりません。但し、大マイナスポイント-と云うシステムです***

トリノからスタートして翌日の昼12時ごろ、その日のゴール地点であるモナコからほど近い仏伊の国境付近でセリカがクラッシュしたという報告が入りました。すぐさまサポート隊が駆けつけたところ、セリカは左ヘアピンで曲がりきれず、右側の壁に激突して、右フロントが潰れてしまっていました。

 

これはかなりの重傷・・・

これを見た瞬間「ああ、これはダメだ」と思った程でしたが、変形や干渉の為もはや邪魔ものでしかないテンションロッドなどの足回りのパーツをその場で抜き、なんとかセリカを当日のゴールモナコまで走らせました。一方トレノも、ゴール手前のZR区間で前の車と追突、右のフォグランプが壊れ、ナンバープレートはバンパーに貼り付くように変形しました。今年は雪が積もっていた為、過酷な雪の山道でリタイアが多かったそうです。ボコボコの競技車両もたくさん見ました。
波乱が続いた1日目、2日目を終え、3日目以降は完走だけでも果たそうと、サービス毎に修理をしながらの走行が続きました。セリカは応急処置しか出来ていない為、ステアリングが充分に切れず、ヘアピンで切り返し何度も繰り返したそうです。そんな満身創痍のセリカとトレノでしたが、無事にモンテ名物の「チュリニ峠」を越え、2台とも完走を果たすことができました。

 

TA-22、モナコに辿り着く。モンテ名物チェリニ峠を疾走。

セリカは初日にクラッシュしたせいで、2日目は板金等に行った為、ZRは完全に無視、CH,CPも1か所のみの通過となりました。3日目以降も無理な走行を避ける為、車の調子や時間を見ながら、要所要所で最短ルートを選択した結果、ZR区間を避けた為、成績は悪くなりました。

そして下記が最終結果です。
参加台数 291台 完走 214台
セリカ 総合213位、年代(1972~79年製)・排気量(1301~2000㏄)別78位(参加94台、完走78台)
トレノ 総合119位、年代(1972~79年製)・排気量(1301~2000㏄)別46位(参加94台、完走78台)

セリカは完走車両中、ブービー賞でした。昨年のメンバーを超える結果を残すことは出来ませんでしたが、これほどの悪状況の中、チームが一丸となってプロジェクトの目標「完走」を果たしたことは、彼らの誇りになった様です。絶望的なトラブルの連続に、途中投げ出したくなる事もありました。が、メンバー全員が「あきらめない気持ち」をモンテ本番を通して得た様です。「ラリーは必ず予想していない何かが起こるから楽しいんだ」という草加教授の言葉がゴール後に蘇ったそうです。他にも、WRCのラリー・モンテカルロの観戦、イギリスのF1チームの施設の見学など、有益な体験を沢山したメンバーは今後の人生でもなかなか経験できないであろう濃密な時間を過ごしたそうです。

 

学生たちの中に貴重な財産が生まれた様です

そして、TEAM DARUMA JAPANは25、26日に、パシフィコ横浜で開催されるイベント、ノスタルジック2DAYSに参加・報告会をさせて頂くそうです。ステージでの発表時間は以下です。
25日(土)15:30~16:00
26日(日)12:30~13:00
これまでの活動やモンテ本番でのVTRを流し、報告させていただく予定です。

そして、ラリーモンテカルロ・ヒストリック プロジェクトは次のステップを目指します。
それも、イベントステージの報告会で発表されるでしょう。乞うご期待です!

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(川崎BASE)