トヨタ2000GT詳細撮影その2 リトラクタブルヘッドライト

トヨタ2000GTの詳細撮影第2弾はリトラクタブルヘッドライト。

博物館に展示されているトヨタ2000GTでは滅多に見ることの出来ない、リトラクタブルヘッドライトを上げた状態。今回は特別にこのライトを上げた状態での撮影も行いました。

トヨタ2000GTはフロントノーズがあまりにも低いためにヘッドライトの高さが当時の法規に合わず、したがってリトラクタブルヘッドライトを採用するのですが、これが日本車で初の採用となるのです。

マツダのSA22C型RX-7が1978年ですから、その11年前に実用化してしまっているのです。

撮影をさせていただいた車両はこのリトラクタブルヘッドライトもスムーズに作動。

ライトのリンケージに至るまでレストアされています。

真横から見るとリトラクタブルヘッドライトの構造が非常によくわかります。

ライトハウジングを一体成型の樹脂ではなく、金属製としているのが60年代テイスト。

当時はまだ樹脂が一般的ではなかったようです。

ボンネット側から見るとこんな感じです。

この頃の海外のメーカーも、リトラクタブルヘッドライトの採用はまだまだ数が少なかったようです。トヨタ2000GTよりも前に採用していたのはシボレー コルベットが有名です。トヨタ2000GTと似ていると言われたオペル1900GTもリトラクタブルヘッドライトを採用していましたが発表時期はトヨタ2000GTの方が先です。

つまり、当時の最高峰の技術とアイデアを惜しみなく投入したのがトヨタ2000GTなのです。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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