猛暑の中、なぜ夏場と冬場でブーストが変化するのか考えてみた

前回のブースト計の記事で冬場には、ブースト圧の上昇がある事を書きましたが、なぜ季節で圧力が変化するのでしょうか?

夏場、冬場でそれぞれ最大ブースト圧の記録を取り、平均してみますとレガシィの場合、0.1~0.2kpa程冬場の方が圧が高くなっています。

夏場と冬場では関東でも20度~30度の気温差があり、やはり大きく関係してくるのは気温と考えられます。

もちろん湿度や燃料温度、走行条件など全く同じ状況を作り出すことは難しいですが、比較して平均の値を取るとやはり冬場の方が数値は高いようです。

気温が低いと何が変わるのか?

タービンで圧がかかる直前の温度が低いので、空気の密度が濃い状態で圧力が掛かる為、タービンのレスポンスが上がる事により、オーバーシュート、いわゆる設定されている以上の圧力が掛かり易くなります。

ウチのレガシィの場合、ドがつくノーマル車ですから、純正の規定値内と言う事になりますが、それでも季節でこれだけの数値の変化が出るのは驚きです。

給排気系のチューニングを施したクルマになると、もっと数値に変化が出るようです。

100/1秒、1000/1秒を争うレースの世界ではこの0.1kpaのブースト圧の設定で勝敗を分ける事があると聞いたことがあります。

私のようなレベルでは0.1Kpa程度の違いは体感できませんが、冬場の方がレスポンスがいいなと感じるのはブースト計の針の動き方で解ります。

たった一つの計器で色々な事がわかりますし、突き詰めていくと内燃機関の奥の深さも知る事が出来ます。

クルマの楽しみの一つのカタチが、メカニカルな部分の追及だと思います。

電子制御化が進んだ今のクルマでも、まだまだ楽しめる余地はあると感じました。

(井元 貴幸)

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