光岡自動車の新型電気自動車「雷駆(ライク)-T3」ってどんなクルマだと思いますか?

本日、七夕の7月7日、光岡自動車が新型電気自動車の発表会を行うというので、芝大門までやってきました。

光岡自動車といえば、卑弥呼とか大蛇(オロチ)なんかのイメージが強いですが、私は原付ミニカー制度の基礎となったBUBUとか、

BUBU

ロードスターのエンジン搭載を搭載し、光岡が自動車メーカーとなった一号車、ZERO1なんかがイメージです。

ZERO1

 

で、ライクと言えば、三菱自動車のi-MiEVをベースに、軽自動車よりも5人乗りのメリットを取って普通車にしちゃったクルマです。そのライクシリーズということで、どんな電気自動車か楽しみにしてました。

i-MiEVベースの雷駆

ところが!発表会場の近くに置いてあるのは、我々が想像する「クルマ」ではありません。築地で活躍するトロ箱なんかを運ぶターレットのようなやつです。見た目はニャロメやケムンパスのお友達のべしのようです(詳細はコチラ>>>http://www.koredeiinoda.net/charalist.html)。

「なんじゃこりゃ? まさか、これの発表じゃないよね」と思いつつ、会議室での発表会に参加しました。

すると、やっぱりべしのような車両でした。

それも、販売します、ではなく、「光岡自動車」と「ユアサM&B」がリースの募集を開始します、という発表でした。

雷駆(ライク)-T3は、光岡の電気自動車の名称である雷駆にトラックの3輪という意味でT3を付けたものだそうです。i-MiEVベースのクルマと同じラインアップにして、三菱自動車さんが気を悪くされなければいいのですが。。。

気になる車両のカテゴリーですが、側車付き小型自動二輪、つまりサイドカーが付いたバイク、ですがバイクを3輪にしたいわゆるトライクの扱いですね。トラックの雷駆でトライクでぴったしですね。

もちろん電気自動車で、72V、4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、3kWのモーターを駆動します。航続距離は60km(40km/h定地)で、最高速度は60km/h。ヘルメット不要で2人乗りです。

動物園の餌運びや、移動販売店舗、配達、作業車両、観光地の案内などの使用例がイラストにしてありますが、そのような需要がそれほど多いとも思えません。

クルマと考えれば安全面、実用面で「?」がいくつも付きそうです。果たしてアリなのか?

発表の場でも原付4輪と軽自動車の間を埋めるものを作りたくて、選択肢としてこのカテゴリーを選んだ、という意味合いだと私は受け止めましたが、ここに発売でなく、リースを開始すると発表した意味があるんじゃないかと思いました。

私自身も、軽自動車の下のカテゴリーがあったほうがいいとずーっと思っていたんです。

高速道路は乗れなくてもいいから、街乗り、ご近所だけの移動に使用するいわゆるセカンドカーですね。

現在の軽自動車では大きく立派すぎます。

今の軽自動車のカテゴリーを排気量で言えば800ccくらいにして、その下を例えば400cc相当くらいに設定して、電気を中心にしたカテゴリーにすればいいんじゃないでしょうか。

安全面も高速道路やバイパスなどは通行禁止を前提にすれば、少し楽になると思います。そもそも安全ってキリがないからどこで見切るかが問題ですもんね。

運転席が光岡自動車の光岡進会長、助手席がユアサM&Bの松田憲二社長

光岡自動車としては、そういった現在空白の自動車ジャンルを正規に作ったほうがいいということで、あえて法の目をかいくぐったようなトライクで出してきたんじゃないでしょうか。

 

それじゃ、危険だし、そんなのが増えても困る、となれば役所も動くんではないか、という目論見と読みました。トライク屋さんは迷惑でしょうが。。。

いずれにしても、この雷駆-T3が大量に世の中に出回ることはないと思います。が、これをきっかけに、時代にあった車両カテゴリーが再整備されていくんだったらいいんじゃないでしょうか。

がんばってください。

(小林和久)

【写真がすべて見れないかたは】>>>https://clicccar.com/40132

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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